王子様なんて (ページ23)

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〈JK side〉

〈グガ、今日ちょっと付き合ってよ。〉

ジミニヒョンが締め作業をしながら、そう言う。
ヒョンがそう言う時は、大体なんかある時だ。

まあなんとなくわかるけど。

あれから3週間。
ミンジさんとことのさんはカフェに来ていない。

あの時のミンジさんの様子からして、
またすぐにでも来そうだな、なんて思っていたのは
俺だけじゃなかったのだろう。

ジミニヒョンが、柄にもなくため息を吐きながら
付き合ってよ、なんて言うってことは
ヒョンは結構ミンジさんのことが気になっているのかも。

会いに来てくれないことにモヤモヤしているんではないだろうか。まあ勝手な憶測だけど。

2人は連絡先も交換して、メッセージもしているんだから、
約束なんていくらでも出来そうだが。

なんて思っていると、

〈忙しいみたいでさ、誘っても断られ中。〉

俺の表情で心の中の声が伝わったのか、
ジミニヒョンは独り言かのようにそう言った。

『しょうがないな、ヒョンの奢りね！』

俺は連絡先すら交換出来てないんだから、
ヒョンはまだいいじゃん、と出かけた言葉を飲み込む。

……今日は俺もとことん呑もう。