王子様なんて (ページ26)

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〈You side〉

ジミンさん、ミンジ、私、ジョングクさんの順で
狭い通路を進む。

私がテーブル席に着いたときには、
既に隣同士で座っているジミンさんとミンジ。

仕事が早いな、なんて向かいの席に着きながら
はっ、と気づく。

ジミンさんとミンジが隣同士ってことは、
必然的にジョングクさんが隣に来る訳で。

カーテンをくぐって、一瞬止まったジョングクさんは、
何事もなかったかのように私の隣に腰掛けた。

ジミンさんとジョングクさんは、ここに来てやっと飲み物を頼み、私とミンジもグラスが空いたので、新しい飲み物を頼んだ。

全員の飲み物が届いたところで、ジミンさんが
ﾝﾝｯと咳払いをする。

〈カフェでの出会いから、今日こうして一緒に呑めることも
何かの縁だと思うので、これからも仲良くしましょう！
かんぱ〜い！！！〉

ジミンさんの乾杯の音頭で、
4人のグラスが合わさる。

ふと、横のジョングクさんと目が合う。

すぐ逸らされるだろうと思っていたが、
そのままフッと笑って、私にだけ聞こえる声で、
乾杯。だなんて言ってのけた。

さっきまで、うるさいとすら感じていた居酒屋特有の周りのガヤガヤした音が、急に静かに感じた。

ジョングクさんの声だけが私の耳に届いたような感じで、

なんだか、顔が火照る。
お酒、飲み過ぎたかも。