王子様なんて (ページ31)

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〈You side〉

痛たたた…

頭の痛さに目を覚ますと、そこはいつもの見慣れた風景。
外は薄紫がかっていて、昨日店を出た時の空の色とは違うことで、今が明け方だと分かる。

私、どうやって帰ってきた…？？？？

お店の前で、ジミンさんとミンジと別れて、
グクと歩き出したところまではしっかり覚えている。

……やってしまった。絶対迷惑かけた。
ズキズキ痛む頭を押さえながら、スマホを探す。

そこには三件の新着メッセージが。

一件は、ミンジからだ。

베프 민지 ジミンさんの家に泊まることになった!!

まじか。受信時間は、夜中の1時半。
多分、お店で別れてそのままの流れでそうなったんだろう。
泊まるってことは、…まあそういうことだろうね。

あとの二件は、昨日交換したばかりの真新しい名前からだ。

정국ごめん、部屋勝手にお邪魔した。

起きたらドアノブ確認して。

やはり、グクが部屋まで運んでくれたのだろう。
私が辿り着けなかったがために、部屋に入ることになったはずなのに、勝手に入ったことをわざわざ謝るなんて、律儀にもほどがある。

……ドアノブ？？

玄関のドアを開けると、外側のドアノブからガサッと
明け方には大きすぎる音を立てて、ビニール袋が落ちる。

中を確認すると、500mlのペットボトルの水、頭痛薬、ゼリー、プリン、レトルトの雑炊。

……これ、私を部屋まで送り届けた後、
いろいろ買ってまた届けに来てくれたってこと？？？？

今まで抑え込んでいた気持ちが溢れ出そうになる。
傷つきたくない。でも、もう自分の気持ちにも嘘はつけなさそう。

想うだけなら……いいかなぁ。
想うだけなら……傷つかないかな。