王子様なんて (ページ35)

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〈You side〉

………嘘でしょ？

昨日の記憶を必死で手繰り寄せる。

微かに夢を見たと思っていた。
うっすらとぼやけた記憶の中には、
唇の感触、目の前には……………グクの顔だ。

……夢じゃなかったってこと？

しかも、グクの言い方的に、私の方からキスしたような感じ。

「ミンジ、私やっちゃったみたい。」

〈何を〜？？〉

なんて呑気なミンジ。
思わず、顔を見つめると、笑った顔が真剣な顔になった。

〈…なんだあ！！！そんなこと？！ｱﾊﾊ〉

事の経緯を説明すると、さっきまで真剣な顔をしていたミンジはもういなかった。

「そんなことって！！私相当やらかしてるじゃん！もう！どうしたらいい？？」

焦っている私をミンジは楽しそうに見つめる。

「A…もう答えは出てるんでしょ？」

……ミンジには何でもお見通しだなぁ。

黙っていると、さっきの楽しそうにしていた目とは違って、
優しい目をしながら言葉を続けるミンジ。

〈私ね、Aには幸せになってほしいの。
今まで、何度も傷ついたのは分かってる。でも、知ってる？おみくじの凶って、運勢がこれ以上下がらない、上がっていくしかないから逆に良い意味で捉えられるんだって。

自分の気持ちと、自分が好きになった人を信じてみようよ。それでまた傷つくことになるなら、何度だって私が一緒に泣いてあげるからさ。〉