王子様なんて (ページ37)

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〈JK side〉

あれから何日が過ぎただろうか。

Aほんとにごめん。覚えてない。

なんていうメッセージが来てしまったがために、
これ以上とやかく言うのも違うなってことで、
あの件にはもう触れていない。

もっとAと仲を深めないと。
そんなことを思う毎日だが、

ひとつだけ変わった事がある。

ｶﾗﾝｺﾛﾝ♩

「……やっほー。」

『……いらっしゃいませ。』

Aは、ミンジちゃんと一緒に度々カフェに来てくれるようになった。
まだたまに、連れて来られてるような気怠さを感じることもあるが、最初の方に比べるとかなり表情も明るく、笑顔も見られるようになった。

今日も来た瞬間、やっほーなんて言って笑っている。

………あぁもう好きだなあ。
　

既に気付いていた気持ちをしっかり言葉にすることによって、もう溢れ出して止まらない。

笑ってくれるってことは、
俺にも心を開いてくれてるってことでいいんだよな？

なんて考えながら、今日もAのカフェラテを作る。

ミンジちゃんと笑い合うAをカウンター越しに見ていると、
2人がチラチラとこっちを見ながら、コソコソ話をしているような感じ。

…なんだ？？

でも今日はそんなことを気にしている余裕はない。

自分の中で賭けだった。

今日もしAが来てくれたら、
デートに誘おうって決めてたんだ。