王子様なんて (ページ39)

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〈You side〉

自分の気持ちを認めてからというもの、
ミンジのおせっかいなのか、それとも自分がジミンさんに会いたいだけなのか、ちょくちょく2人が働くカフェに連れ出されるようになった。

もう何も言わずとも、あの甘いカフェラテが出てくると、
なんだか自分だけ特別だと言われているようで、ちょっとばかし恥ずかしい気持ちと、嬉しい気持ちが混ざり合う。

席について、ミンジに週末の話を持ちかけた。

「そういえば、日曜日！何時に集合する？
映画は、確か13時からだったはず。」

〈A、ごめん！映画行けない！〉

ミンジは、両手を顔の前で合わせて頭を下げはするが、その顔はニヤニヤという表現がぴったりの顔で、本当に謝る気があるのか、と問いただしたくなる。

〈昨日ジミンさんにデートに誘われちゃって♡〉

なんて嬉しそうに言う親友は、1週間前から約束していた私のことはもう忘れたとでも言うかのようだ。

「じゃあ1人で観てこよっかな〜。」

呟くように言った私にミンジは、

〈なんで？一緒に観に行ってくれる人すぐそこにいるじゃん！〉

なんて言いながら、仕事中の彼を指差す。

「っちょ、指差すな！！
いや私にはまだ誘うのハードル高いって」

だって、ついこの間自分の気持ちが分かったのだ。
人を好きになるのなんて、どれぐらい振りだろう。
そのぐらい恋愛初心者なのに、れっきとした理由があるとはいえ、デートに誘うなんて、考えてみても

……むりむりむりむり。