王子様なんて (ページ41)

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グクからの返事は、OKで。
ほっと安心したのも束の間、
あっという間に約束の日曜日になった。

結局、グクの話は聞けずじまいだったけど、
まあ今日聞けばいいか。

映画が13時からだと伝えると、その前に軽くご飯でも食べよってことで、10時に約束した。

昨日はあまり眠れなかった。デートなんて久しぶりすぎる。
どこで待ち合わせるか決めてなかった事を思い出して、グクにメッセージする。

今日待ち合わせ、駅で良い?

すると、すぐに既読がついて、返事がくる。

ﾋﾟﾛﾝ

정국ごめんちょっと用事あって遅れるかも。連絡するから家で待ってて。

用事ってなんだろと思いながらも、
準備して、言われた通り家で待つ。
すると、約束の10時ぴったしにグクから着信が。
一呼吸おいて、電話に出る。

「……もしもし？」

『着いたよ。降りて来れる？』

全然遅れてないじゃん。
しかも着いたよってどういうこと？なんで家に？？？
なんていろんな疑問が湧き出るのをよそに
人を待たせているので、急いで降りる。

降りた先には、見慣れない車。
窓が開いて、そこからグクが顔を出す。

『お待たせ。びっくりさせたくて、用事って嘘ついた。
迎えに来たかっただけ。乗って〜』

って笑いながら言うグク。

こんなの聞いてないよ。
好きを加速させるかのように動く心臓を
なんとかごまかしながら、助手席に乗り込む。

「お願いします。」

『よっしゃ、レッツゴー』

なんて言うグクは少年のようなのに、
慣れた手つきでハンドルを持つ姿は大人の男性そのもので。

この前居酒屋でみたゆるめの私服とは違って、お洒落なデニムジャケットの袖からはタトゥーが見え隠れしていて、耳と口にはピアスが揺れる。

カーオーディオから流れている洋楽も相まって、かなり様になっている。

カフェで働いてる時にもタトゥーは見えてたし、ピアスもついていたと思うんだけど…
いつもと違う状況に、もうどうにかなりそうで。

……ミンジ、今日私心臓持たないかも。