王子様なんて (ページ42)

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〈JK side〉

ついにAとのデート。
まあ、Aは単に行く人がいなかっただけかもしれないけど、
それでも、Aから誘ってくれたから車で迎えに行って、
びっくりさせたいな、なんて前日から企む。

サプライズだから、用事なんて軽く嘘をつく。

Aの家に着いて、電話をかけると
俺がAの家にいることに驚いているようだったが、
エントランスを抜けて不思議な顔をしながらこちらに向かってくるA。

車の窓を開けると、不思議そうにしていた顔が、
驚いたのと同時にパッと明るくなった。

………今日のA、いつになく可愛いんだけど。

いつもは、仕事のお昼休憩にカフェに来るから、
カジュアルなパンツスーツに、髪の毛も結んでいる。

それが今日は、髪は下ろされて、いつもはストレートの髪がふんわり巻かれている。
黒いワンピースの上からは、白いシアーシャツ。下の方はしっかりボタンは留められているが、上の方は開けられていて、綺麗な鎖骨がどうやっても目に入る。

Aが助手席に乗り込むと同時に、
ふわっと香るAの香り。

Aが覚えていないのであれば、そのままなかったことにしようとしていたあの日のキスが蘇る。

………俺、今日1日我慢出来る自信ない。