隣にいたのは (ページ11)

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通訳の仕事も無事終わり、片付けをしていると

『……メシ、どこ行きたい？』

なんて聞いてくるユンギ部長。さっき奢ると言っていたのは、口約束ではなく、ちゃんと実行してくれようとしているのか！
だなんて、失礼なことを思いつつも、

「え！本当に奢ってくれるんですか！ありがたいです！
えー、どうしよっかなー、せっかくなんで、部長クラスが行くとびっきり高いお店とか！」

なんてふざけると、

『バカか。そんなとこ接待でしか行かねぇわ。』

と笑いながら言う部長。
いつもは、クールで表情の変化があまり感じられない部長なのに、笑ったら可愛いな、なんて思う。

どこに行くかもよく分かっていないまま、ユンギ部長に車に乗せられる。どこに乗るか戸惑っていると、助手席の窓が開いて、

『何してんの。こっちでいいでしょ。』

なんて助手席を指差すから、急いで乗り込む。
初めて乗るな、なんて考えていると、車内には朝嗅いだ匂いが充満している。

「ほんといい匂いですね！部長の香水。」

なんて言うと、

『まあな。特別に同じ匂いのやつ買ってもいいぞ。許可する。』

と言い放つ部長。

なんだか、今日の部長はよっぽど良いことがあったようだ。
かなり返事が返ってくるし、なにより、笑顔が多い。
と思っていると、フッと笑われ、

『これが普段の俺なんだよ。全部顔に出てんぞ。』

なんて、言われた。