隣にいたのは (ページ10)

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『……なんか予定あった？』

と聞いてくる部長。私がさっき連絡だけいいですか？って聞いたからそれが気になったのだろう。

「彼氏が迎えに来てくれる予定だったんですけど、
今はユンギ部長のお手伝いが大事なので！」

と返すと部長は、フッと笑って、

『……夕飯(ゆうめし)奢る。』

と一言。なんだか部長が心を開いてくれたような気がして、素直に嬉しかった。

ユンギ部長からお願いされたのは、
日本の会社とのリモート会議が、急遽入ってしまい、
その会議での通訳をお願いしたい。とのことだった。

私は母が日本人、父が韓国人の日韓ハーフなので、日本語は割と出来る。
今までも、日本の会社との取引の時には、通訳をしたりすることがあった。

今回、帰ろうとしている私に声をかけたのは、そういう理由だったのか。だとしたら、納得がいく。
私にしか出来ない仕事内容だからだ。

会議が始まるまでの、空き時間にスマホを確認すると

태형아うわぁまじか。会いたかったけど、しょうがないね。頑張って。

とテヒョンからメッセージが入っていて、
どこまでも優しい彼にキュンとしつつ、会議に集中するため、
返事はしなかった。