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__2014年11月
その日は11月には珍しく記録的な大雪が降り、気温も氷点下を超えていた。
セジンさんに連れてこられ、彼らのグループ名が書かれたドアの前で小さく深呼吸をすると笑われる。
「そんなに気張らなくても良いヤツらばっかだよ。」
『気持ちの問題なんです』
「…やっぱり、
ドアを指さし眉を八の字に曲げ聞くセジンさん。
あの事とはきっと元々公開するつもりだった話の事だろう。
目を見て「はい」と頷き言えば彼も黙って頷く。
「お疲れ様〜」そう言いドアを開けるセジンさんの後ろを続けば、先程までステージの上で見た人達が7人。
後ろに居る見知らぬ私に不思議そうな表情を向け「誰？」と口々に零す。
『
一息で一生懸命話してお辞儀をすれば返事が来ない。
何も発さない相手に何か言葉遣いを間違えただろうか、何度も練習した言葉なんだけど。
そう思い頭をあげられずに自身のつま先を見つめていれば、奥から「宜しくお願いします」と声が聞こえ顔を上げる。
ニコニコと笑い返事をしてくれたのは、確かリーダーのキム・ナムジュンさん。
再度お辞儀をすれば各々「宜しくお願いします」と返してくれる。
各々自己紹介をしてくれる中、群を抜いて目を引いたのは整った顔と三白眼の瞳の人。
勿論他のメンバーも負けず劣らず綺麗な顔をしているが、その低い声も相まって少しの苦手意識。
「Vです、宜しくお願いします」
『お願いします』
目を合わさずそう返事をする私は、初対面からあまり良い印象ではなかっただろう。
正確には合わさず、と言うよりは合わせられない。
綺麗で迫力があるその目は緊張してしまって、何度も練習した挨拶の言葉も上手く発音出来ていただろうか。
気付かれてしまってはいないだろうか、
そんな不安を心の中で吹き飛ばし、いやきっと大丈夫、と自分に思い込ませる。
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作者名：MOA | 作成日時：2024年3月5日 16時
