episode.11 ページ11
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【JK side】
「ねえ」とテヒョンイヒョンの声が聞こえて、声を掛けたのは隣の子に向けてと分かっていたが、つられてそちらに目を向ける。
『っえ』
「は」
思わず声が被る。
その理由は簡単で、
声をかけてきた当の本人が綺麗な顔を歪まして、これはそう所謂"変顔"を彼女に向けているからだ。
僕らの反応を不審に思ったジミニヒョンが、テヒョンイヒョンの顔を覗けば、驚いた顔をしてバシッと肩を叩く。
「テヒョンア！！！お前何、は、何どういう意図でいきなり変顔してんの？！」
「いや〜〜、笑うかなあって思って」
「普通に逆効果だよ！スノさん、めっちゃ顔引きつってるじゃん！」
「さっきから思ってたけど、スノさん笑顔下手だね〜」
「テヒョンア！！！」
もう喋るな！と何度目かの注意を受ける当の本人は、ケタケタと楽しそうに笑っている。
後部座席のヒョンたちも、セジニヒョンやナムジュニヒョンも呆れ顔だ。
突然の変顔を見せられた彼女はというと、テヒョンイヒョンに向けていた顔を正面に戻し、未だ動揺を隠せない表情で膝の上の自身の手に視線を落とす。
き、気まず〜〜……。
ただ一人テヒョンイヒョンを除いて、そんな空気感が漂うこの席の列。
窓の外に目をうつせば、そういえば、と運転席のセジニヒョンが声を出す。
「スノとグギは同じ学校入学になるからな、学年は違うと思うけど仲良くしてやってな」
話題を変えようとしてくれたのか、バックミラー越しに目が合い、優しく笑いかけるセジニヒョン。
そう言われ隣に居る彼女が今度はこちらに目を向ける。
『あ〜……と、お願いします』
「…はい」
「ぎこちなさすぎでしょ笑」
ヘラッと笑みを浮かべて言う彼女の表情は、ヒョンが言ってた通り確かに下手な笑顔。
こんな愛想笑い丸わかりの顔で俺らの後輩としてデビューするの？出来るの？
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作者名：MOA | 作成日時：2024年3月5日 16時
