Snow ButterFly (ページ3)

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episode.3 ページ3

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その後メンバーの方々がそれぞれ自己紹介をしてくれ、セジンさんと部屋を出る。

「緊張しただろ」

『はい』

「大丈夫、すぐ彼等とも打ち解けるよ。この後、まだ打ち合わせとかあるから帰れないんだけど、待ってて一緒に帰るか？」

『いえ、先帰ります』

そっか、と心配そうな目を向けるセジンさんに別れを告げ"東京国際フォーラム"を出ると先程まで大雪だったのに、次は大雨。

先程までの天気で積もった雪が雨で溶けて道はぐちゃぐちゃ、それに傘もないし最悪な天気だ。

ライブ終わりの子達も口々に文句を垂らし、余韻に浸る暇もなく急ぎ足で帰路についているのを横目にセジンさんに傘を貰いに行こうか、と建物中へ戻ろうとした時に聞こえたのは「놓아(のあ)《離して》！」と言う女性の声と男性の笑い声。

姿を見たわけではない、だけどその言葉と声に嫌な予感がして、心臓が痛いくらい締め付けられる。

気の所為かもしれない、嫌な予感は勘違いかもしれない、何度もその言葉を聞かないフリしようと、頭の中で危険信号が鳴っている。

目を瞑れば今でも鮮明に思い浮かぶ嫌な光景。

服の裾を力強く握り締め、私は傘も差さず雨に打たれながら、声の聞こえる方に足を踏み出した。

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