episode.23 ページ23
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いつから来ていたのか 、
天井を見上げた奥に見えた人影に驚き、そちらに目を向ければ居たのは予想もしなかった大先輩。
ダンスに夢中で全く気づかなかった、と慌ててお疲れ様ですと頭を下げれば何も言わずこちらに目を向ける彼の表情からは感情を読み取れない。
「何か言う事ないの」
『…え、言う事、ですか』
何だか以前の時と雰囲気が違う気がする。
予想もしていなかった彼からの言葉に何だろう、何だろう、とグルグルと頭をフル回転させるけど、させた結果予想した答えは
『あ…、勝手に曲踊ったのまずかったですか？』
そう言えば全く見当違いの返答だったのか、ハアと深い溜息をこぼされる。
それ以外本当に思い浮かばないんだけど、知らない所で何か失礼をしていたのだろうか、
「なんで」
『はい？』
「…なんでスタジオ来てるのに俺らのとこ顔出さないの？」
『え、』
「あんな毎日のように来てたのに突然来なくなって二ヶ月、と思ったら実はその後も来てましたって普通に疑問なんだけど」
ああ、そうか、もう三月も終わりを迎えている。
最後に先輩方の元を訪れたのは一月半ばとかだったっけ。
『すみません。皆さんと会ったら、その楽しくて勉強に集中出来なくなっちゃうので。』
いつか言われたジミンさんからの言葉。
「スノの話し方ってゆっくりだし、たまにイントネーション変だよね」って。
何気なく言ったんだろうけど、独学で覚えた言葉はまだ足りない所は沢山あるし、国籍なんて少しのボロでバレてしまうものだ。
まだまだ私には足りないものが沢山ある。
言語も、ダンスも、歌も、まだまだ足りない。
『それに、ダンスも。練習するのにスタジオ貸していただけるって提案してもらったので、最近はずっとこちらに居ました』
「ふーん」
まだ何か不満気のジョングクさんはジトッとこちらを見つめ、まあいいや、と続けた。
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作者名：MOA | 作成日時：2024年3月5日 16時
