episode.27 ページ27
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"日本人ってこと"
そう言えば目を丸くして驚いて見せたけど、それは一瞬で直ぐに「
「そのノートはそういうことか」
『え？』
「いや、普通に日本語勉強してるのかと思ったから」
ああ墓穴掘った、焦り過ぎて自分から答えを出していた数秒前の自分を恨む。
良く考えればいくらでも言い訳は思いついたはずなのに。
「でも納得いった。スノと話してるとたまに話し方とか違和感なのも、ここら辺の土地について詳しくないのとかも」
全部生まれた国が違うからか、と続けるジョングクさんはそんなに驚いた様子もなく私が日本人という事を、元から知っていた事実かのように既に受け入れているようだった。
私の横の椅子を引き腰掛ける彼は立ちすくむ私に座りなよ、と椅子の上をポンポン叩く。
その言葉に大人しく従い座れば、安心したような笑みを浮かべる。
ジョングクさんが周りにこの事をペラペラ話すとは思えないけど、この事が広まったらどうしよう。
その考えが頭の中でグルグルと巡るけど、その考えは不要だったみたいで、私の考えを読み取ったのか「言わないよ」と口にするジョングクさん。
『……本当に？』
「俺が言いふらしそうに見える？心外なんだけど」
『や、見えないですけど』
「うん、言わないから安心して」
『はい、』
真っ直ぐこちらを見て言う彼の言葉に、まだ不安な私は目を逸らし俯き小さく返事をする。
そんな私を見て困ったのか「んー」と考えるような声を出す彼に少し申し訳なくなる。
「あ、じゃあさ」
「交換条件ってわけじゃないけど、スノがデビューしたら一緒に曲だそうよ」
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作者名：MOA | 作成日時：2024年3月5日 16時
