episode.30 ページ30
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『ふぅ〜〜〜〜、』
何度目か分からない深呼吸を繰り返す。
膝に添えられマイクを持つ手が震えているのを止めるように、ギュウと握る手に力を入れるがその願いも虚しく震える手は小さく揺れる。
そんな分かりやすい"緊張"をしている私に「スノヤ」と後ろから声をかけて肩に手を回すのは、
『ジミンさん！』
「緊張してるねえ〜笑」
私の出番の前に"피 땀 눈물"を披露し終わった大先輩、防弾少年団のジミンさん。
肩から手を回し笑顔なジミンさんの後ろには、ホソクさんも一緒だ。
緊張してない、と言うのは強がりな見え見えの嘘になってしまうので、彼の言葉に素直に頷けばワハハと盛大に笑われる。
「顔引き攣りすぎ！笑 そんなに緊張しなくても大丈夫だって！」
「今日のためにめっちゃ努力してたじゃん、そのままのスノでやれば大丈夫だよ」
『ホソクさん〜〜、』
歌唱力もダンスも、昔からしている人に比べればまだまだで、そんな私のダンスレッスンを忙しい中でも見てくれたホソクさん。
それでもやっぱり自信持って踊れるまでの形にはならなくて、挫けそうな時もずっと傍で優しく時に厳しく指導してくれた。
私にとってホソクさんは本当に憧れの存在だ。
『というより私が緊張してるのは、
「あ〜〜〜、さっきのね？笑」
楽しそうに笑う二人の後ろを覗いても当の本人は来ていなさそうで、ハアとため息を着く。
防弾少年団の皆さんが歌を披露する前、デビューする私について聞かれた際に身を乗り出し言われた言葉。
＿＿＿楽しみにしていてください、本当に本っ当に自慢の後輩でこの日を心待ちにしていたんです！きっと彼女の声を聞けば皆さん一瞬で彼女のファンになります。
公式アカウントやサイトが出来たからと言っても、まだ世間的には全く得体の知れない存在。
そんな私への大袈裟すぎる称賛の言葉。
そしてその言葉を発言したのはジョングクさんだ。
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作者名：MOA | 作成日時：2024年3月5日 16時
