Snow ButterFly (ページ8)

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episode.8 ページ8

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【SJ side】

＿＿＿＿『セジンさん…私…っ、この国にいるのが怖い』

＿＿＿＿『頑張るって決めたのに、ここでやって行くって決めたのに……、そんな私を真っ黒な闇が引っ張るの。先の見えない底なし沼みたいで、』

＿＿＿＿『もう消えちゃいたい…っ』

出会った頃、
太陽のような笑顔を見せて明るく何にでも素直だった彼女が、出会ってから約二年目にして初めて見せた弱音と涙。

あの時は、血まみれの布団の上で大粒の涙を流し震え、今にも消えてしまいそうになる彼女を、抱き留めるしか出来なかった。
涙の訳を全て話しはしなかったが、一時帰国をしていた彼女を迎えに行った日に起きた出来事を少し聞いただけでも怒りや悔しさ苦しさ、と今までに感じた事の無い黒い感情が胸を填めいた。

まだ15歳だと言うのに、何故こんなにも深い闇を体験しなければいけないのか、あの時様子の違う彼女に疑問を持たなかったこと、すぐ気付いてあげられなかった自分を当時は凄く悔やんだ。

その事件からたった三ヶ月しか経っていないのに、彼女は弱音を吐いたことを謝り、この土地で頑張るんだと再度笑顔を見せてくれた。

それでもその笑顔は以前のような太陽のような笑顔ではなく、目の奥には深い闇が隠れているようで、その時はどうしても彼女の頑張りを素直に応援する言葉をかけられなかった。

それでも、この先きっと辛い事がまだ沢山あるだろうけど、絶対に彼女を守ろうと決めた。

なのに、俺はまた守れないのか。
A、この世界にまだ絶望しないでまた笑顔を見せてくれ。

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